2020年2月14日 09:30現在の地震の起こり方について:
昨日、北海道の択捉島南東沖でM7.0が発生しましたが、この2月、沖縄地方での震度1以上地震がまだ発生していません。沖縄地方の昨年からの月別発生数は次の通りです。
2019年:沖縄地方:
01月分:13件(M4以上:5件、台湾付近:0件)、(震度1:9件、69%)
02月分:06件(M4以上:5件、台湾付近:0件)、(震度1:4件、67%)
03月分:03件(M4以上:1件、台湾付近:0件)、(震度1:1件、33%)
04月分:07件(M4以上:5件、台湾付近:1件)、(震度1:4件、57%)
05月分:03件(M4以上:0件、台湾付近:0件)、(震度1:2件、67%)
06月分:04件(M4以上:1件、台湾付近:0件)、(震度1:4件、100%)
07月分:11件(M4以上:7件、台湾付近:0件)、(震度1:7件、50%)
08月分:08件(M4以上:5件、台湾付近:1件)、(震度1:5件、63%)
09月分:00件(M4以上:0件、台湾付近:0件)、(震度1:0件、0%)
10月分:07件(M4以上:4件、台湾付近:0件)、(震度1:7件、100%)
11月分:05件(M4以上:2件、台湾付近:0件)、(震度1:4件、80%)
12月分:13件(M4以上:5件、台湾付近:0件)、(震度1:10件、77%)
2020年:
01月分:09件(M4以上:4件、台湾付近:0件)、(震度1:5件、56%)
02月分:00件(M4以上:0件、台湾付近:0件)、(震度1:0件、00%)*2月13日まで
昨年9月にも沖縄地方での地震発生がなく、沖縄地方で震度1以上地震がないことは比較的よく起こることです。しかしながら、この2月は九州地方も震度1以上地震がかなり減少しています。
2019年:九州地方:
01月分:37件(陸域:15件、海域:22件)(M4以上:13件、35%)、(震度1:23件、62%)(陸域÷海域=15÷22=0.68)
02月分:27件(陸域:10件、海域:17件)(M4以上:6件、22%)、(震度1:20件、74%)(陸域÷海域=10÷17=0.59)
03月分:32件(陸域:16件、海域:16件)(M4以上:5件、16%)、(震度1:22件、69%)(陸域÷海域=16÷16=1.00)
04月分:15件(陸域:03件、海域:12件)(M4以上:1件、7%)、(震度1:14件、93%)(陸域÷海域=03÷12=0.25)
05月分:32件(陸域:12件、海域:20件)(M4以上:12件、38%)、(震度1:18件、56%)(陸域÷海域=12÷20=0.60)
06月分:26件(陸域:17件、海域:09件)(M4以上:02件、8%)、(震度1:16件、75%)(陸域÷海域=17÷9=1.89)
07月分:25件(陸域:11件、海域:14件)(M4以上:2件、8%)、(震度1:20件、80%)(陸域÷海域=11÷14=0.79)
08月分:21件(陸域:09件、海域:12件)(M4以上:1件、5%)、(震度1:15件、71%)(陸域÷海域=09÷12=0.75)
09月分:23件(陸域:10件、海域:13件)(M4以上:1件、4%)、(震度1:16件、70%)(陸域÷海域=10÷13=0.77)
10月分:08件(陸域:05件、海域:03件)(M4以上:1件、13%)、(震度1:5件、63%)(陸域÷海域=5÷3=1.67)
11月分:23件(陸域:08件、海域:15件)(M4以上:3件、13%)、(震度1:14件、61%)(陸域÷海域=÷=0.53)
12月分:27件(陸域:11件、海域:16件)(M4以上:6件、22%)、(震度1:19件、70%)(陸域÷海域=÷=0.69)
2020年:
01月分:30件(陸域:11件、海域:19件)(M4以上:3件、10%)、(震度1:20件、67%)(陸域÷海域=11÷19=0.58)
02月分:05件(陸域:02件、海域:03件)(M4以上:3件、60%)、(震度1:2件、40%)(陸域÷海域=2÷3=0.67)*2月13日まで
九州地方は4月:15件、10月:8件となっていて、この2月はこのままいけば10月と同程度の減少となります。
沖縄や九州は琉球海溝を含んでいます。フィリピン海プレートの日本付近でのユーラシアプレートの下へ沈み込む境界です。日本付近のフィリピン海プレートは伊豆・小笠原海溝からの太平洋プレートの沈み込みで駆動されているため、九州・沖縄での地震数減少は、伊豆・小笠原海溝付近で太平洋プレートが大きな固着域によって沈み込みが止まってしまっていることを表している可能性があります。事実、この2月は、伊豆・小笠原諸島付近での震度1以上地震の発生がまだありません。
2019年以降の月別地震数:関東地方の総数及び伊豆・小笠原諸島付近の割合:
01月分:36件(陸域:21件、海域:15件)(伊豆・小笠原:2件:06%)
02月分:27件(陸域:10件、海域:17件)(伊豆・小笠原:9件:33%)
03月分:29件(陸域:09件、海域:20件)(伊豆・小笠原:4件:14%)
04月分:13件(陸域:05件、海域:08件)(伊豆・小笠原:2件:15%)
05月分:26件(陸域:13件、海域:13件)(伊豆・小笠原:7件:27%)
06月分:35件(陸域:12件、海域:23件)(伊豆・小笠原:6件:17%)
07月分:30件(陸域:10件、海域:20件)(伊豆・小笠原:3件:10%)
08月分:10件(陸域:08件、海域:02件)(伊豆・小笠原:0件:00%)
09月分:19件(陸域:09件、海域:10件)(伊豆・小笠原:4件:21%)
10月分:19件(陸域:09件、海域:10件)(伊豆・小笠原:4件:21%)
11月分:37件(陸域:20件、海域:17件)(伊豆・小笠原:9件:24%)
12月分:29件(陸域:19件、海域:10件)(伊豆・小笠原:5件:17%)
01月分:23件(陸域:15件、海域:08件)(伊豆・小笠原:1件:04%)
02月分:09件(陸域:08件、海域:01件)(伊豆・小笠原:0件:00%)*2月13日まで
上の関東地方の表で注目して頂きたいのは、九州や沖縄の地震数減少期と同じ時期に減少が起こっている例があることです。沖縄の8月から10月の減少期と、関東の8月から10月、そして、関東の4月・10月と九州の4月・10月です。
そして、伊豆・小笠原の地震数は4月:2件、8月:0件ですから、九州や沖縄の地震数減少期と同期している傾向があります。更に、伊豆・小笠原の今年1月は1件なので、この45日間程度で1件となり、相当に伊豆・小笠原での地震静穏化が起こっていることになります。F-netの「最新30日のメカニズム解分布図」は震度1未満の地震も掲載されるのですが、これを見ても、伊豆・小笠原付近でのドットは4個しかなく、かなり減少していると思います。
以上のことから、伊豆・小笠原付近でのM8程度の地震がかなり切迫しつつあると言えるはずです。津波被害があるため、沿岸地域での対策が必要だと思います。
今朝のHi-net自動処理震源マップの「最新24時間」のN=の値は昨日と比べてほとんど変化がありませんでした。
昨日05:30と今朝02月14日06:30現在での比較:
「最新24時間」:
「日本全国広域」:294→279(減少15)
「日本全国拡大」:292→273(減少19)
「北海道」 :013→016(増加03)
「東日本」 :191→161(減少30)
「本州中部」 :118→097(減少21)
「西日本」 :098→112(増加14)
地域別で見て、「東日本」と「本州中部」が減少で、「西日本」が増加であるため、東日本での地震が起こりやすくなっていると思います。
「最新7日間」:15以上変動があった地域:
「埼玉県」:242→224(減少18)
「富山県」:224→244(増加20)
「岐阜県」:288→303(増加15)
「三重県」:171→189(増加18)
「奈良県」:285→310(増加25)
「和歌山県」:188→207(増加19)
15以上の減少は「埼玉県」のみでした。ただ、減少幅は小さいので、本日中にM5以上地震が埼玉県付近で起こる可能性は小さいと思います。日本全体で見ると、やはり、茨城県北部や東京湾北部でのM7程度、そして、関東付近の海域でのM8程度がかなり切迫していると思います。
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