2020年2月16日 11:30現在の地震の起こり方について:
(1)日本全体で海域地震が減少しています。陸域÷海域の値が小さくなっていて、陸域多発、海域減少の傾向が出ています。陸域でM5以上の地震が起こり、その余震が多発すると、陸域地震数が海域地震数を上回ることがあるのですが、この2月は、そういった陸域地震の余震多発はなく、日本全体の地震環境が大きく変化していることを示唆していると思います。
以下、2017年1月以降の月別の陸域÷海域などの集計表です。
2017年:
01月分:150件(陸域:081件、海域:069件、M4以上:36件:24%、震度1:095件:63%)(陸域÷海域=1.17)
02月分:144件(陸域:068件、海域:076件、M4以上:45件:31%、震度1:080件:56%)(陸域÷海域=0.89)
03月分:156件(陸域:077件、海域:079件、M4以上:34件:22%、震度1:098件:63%)(陸域÷海域=0.97)
04月分:178件(陸域:089件、海域:089件、M4以上:32件:18%、震度1:117件:66%)(陸域÷海域=1.00)
05月分:161件(陸域:091件、海域:070件、M4以上:25件:16%、震度1:111件:69%)(陸域÷海域=1.30)*1
06月分:213件(陸域:125件、海域:088件、M4以上:37件:17%、震度1:148件:69%)(陸域÷海域=1.42)*2
07月分:175件(陸域:074件、海域:101件、M4以上:48件:27%、震度1:113件:65%)(陸域÷海域=0.73)
08月分:204件(陸域:111件、海域:093件、M4以上:34件:17%、震度1:132件:65%)(陸域÷海域=1.20)*3
09月分:185件(陸域:119件、海域:066件、M4以上:30件:16%、震度1:117件:63%)(陸域÷海域=1.80)*4
10月分:140件(陸域:082件、海域:058件、M4以上:27件:19%、震度1:091件:65%)(陸域÷海域=1.41)*5
11月分:141件(陸域:072件、海域:069件、M4以上:29件:21%、震度1:091件:65%)(陸域÷海域=1.04)
12月分:141件(陸域:067件、海域:074件、M4以上:39件:28%、震度1:095件:67%)(陸域÷海域=0.91)
*1 5月:長野県北部地震が14件発生し、その他、熊本県熊本地方地震などの陸域地震が比較的多かったため。
*2 6月:熊本県熊本地方が24件、6月25日 長野県南部 M5.7、最大震度5強が発生し、その余震が61件発生したため。
*3 8月:茨城県北部や長野県北部・南部の地震が比較的多発したため。
*4 9月:9月8日 秋田県内陸南部 M5.3、最大震度5強が発生し、その後、秋田県内陸南部地震が47件発生したため。
*5 10月:茨城県北部なのど陸域地震が比較的多発したため。
2018年
01月分:131件(陸域:060件、海域:071件、M4以上:35件:27%、震度1:080件:61%)(陸域÷海域=0.85)
02月分:107件(陸域:052件、海域:055件、M4以上:28件:26%、震度1:071件:66%)(陸域÷海域=0.95)
03月分:163件(陸域:056件、海域:107件、M4以上:34件:21%、震度1:102件:63%)(陸域÷海域=0.52)
04月分:170件(陸域:085件、海域:085件、M4以上:37件:22%、震度1:102件:60%)(陸域÷海域=1.00)
05月分:157件(陸域:087件、海域:070件、M4以上:37件:27%、震度1:096件:63%)(陸域÷海域=0.93)
06月分:191件(陸域:123件、海域:068件、M4以上:40件:21%、震度1:120件:63%)(陸域÷海域=1.81)*1
07月分:156件(陸域:077件、海域:079件、M4以上:40件:26%、震度1:107件:69%)(陸域÷海域=0.97)
08月分:124件(陸域:055件、海域:069件、M4以上:34件:27%、震度1:080件:65%)(陸域÷海域=0.80)
09月分:366件(陸域:290件、海域:076件、M4以上:79件:22%、震度1:200件:55%)(陸域÷海域=3.89)*2
10月分:174件(陸域:103件、海域:071件、M4以上:62件:36%、震度1:098件:56%)(陸域÷海域=1.45)*3
11月分:196件(陸域:118件、海域:078件、M4以上:41件:21%、震度1:144件:73%)(陸域÷海域=1.51)*4
12月分:142件(陸域:067件、海域:075件、M4以上:36件:25%、震度1:096件:68%)(陸域÷海域=0.89)
*1 6月:2018年6月18日 大阪府北部 M5.9、最大震度6弱が発生し、その余震が多発したため、陸域地震が多くなっています。
*2 9月:2018年9月6日 胆振地方中東部 M6.7、最大震度6強が発生し、その余震が多発したため、陸域地震が多くなっています。
*3 10月:2018年10月は、胆振地方中東部の余震が34件発生していて、9月に引き続き、陸域地震多発です。
*4 11月:マグニチュードの大きな地震が起こったわけではないのですが、長野県中部地震が48件発生のため、陸域地震多発です。
2019年:
01月分:155件(陸域:67件、海域:088件、M4以上:41件:26%、震度1:97件:63%)(陸域÷海域=0.76)
02月分:127件(陸域:58件、海域:069件、M4以上:37件:29%、震度1:79件:62%)(陸域÷海域=0.84)
03月分:131件(陸域:60件、海域:071件、M4以上:30件:23%、震度1:87件:66%)(陸域÷海域=0.85)
04月分:109件(陸域:43件、海域:066件、M4以上:30件:28%、震度1:77件:71%)(陸域÷海域=0.65)
05月分:118件(陸域:54件、海域:064件、M4以上:34件:29%、震度1:73件:62%)(陸域÷海域=0.84)
06月分:164件(陸域:64件、海域:100件、M4以上:37件:22%、震度1:97件:60%)(陸域÷海域=0.64)
07月分:130件(陸域:47件、海域:083件、M4以上:37件:28%、震度1:84件:65%)(陸域÷海域=0.57)
08月分:103件(陸域:48件、海域:055件、M4以上:26件:25%、震度1:66件:64%)(陸域÷海域=0.87)
09月分:103件(陸域:43件、海域:060件、M4以上:28件:27%、震度1:71件:69%)(陸域÷海域=0.72)
10月分:104件(陸域:49件、海域:055件、M4以上:34件:31%、震度1:62件:59%)(陸域÷海域=0.89)
11月分:123件(陸域:49件、海域:074件、M4以上:30件:24%、震度1:74件:60%)(陸域÷海域=0.66)
12月分:141件(陸域:62件、海域:079件、M4以上:44件:31%、震度1:97件:69%)(陸域÷海域=0.78)
2020年:
01月分:114件(陸域:47件、海域:067件、M4以上:27件:25%、震度1:65件:58%)(陸域÷海域=0.70)
02月分:043件(陸域:25件、海域:018件、M4以上:17件:40%、震度1:25件:58%)(陸域÷海域=1.39)*2月15日まで
2月15日までの分を2倍して、30日換算すると次のようになります。
02月分:086件(陸域:50件、海域:036件、M4以上:34件:40%、震度1:50件:58%)(陸域÷海域=1.39)
上で分かるように、この2月前半は、陸域÷海域の値が2019年1月以降で見ると2倍程度になっています。そして、その原因は陸域地震の多発と言うよりも、海域地震の減少です。この2月前半、海域地震は18件しか発生がありません。2倍して30日換算すると、36件ですが、これは2017年1月以降で際立って少ない数です。陸域地震は30日換算で50件ですから、ほぼ平均に近い数です。
更に、M4以上地震の割合がこの2月は40%となっていて、この3年間から見て、10%程度増加しています。また、最大震度が1の地震が多少ですが、減少傾向です。これ等のことから、いよいよ、311大地震の震源域の南北の両隣でのM8地震が近づいているのだと思います。
(2)暦上の日別の震度1以上地震数が2件以下の日が多くなっています。
昨年の月別回数は次のようになります。
2019年:
01月:04回
02月:07回
03月:09回
04月:08回
05月:07回
06月:03回
07月:04回
08月:14回
09月:10回
10月:08回
11月:09回
12月:04回
2020年:
01月:07回
02月:09回 *2月15日まで
2月の日別の地震数は次の通りです。末尾の*は2件以下の日を示します。
2月01日:6件
2月02日:3件
2月03日:0件 *
2月04日:2件 *
2月05日:5件
2月06日:2件 *
2月07日:2件 *
2月08日:2件 *
2月09日:4件
2月10日:2件 *
2月11日:2件 *
2月12日:7件
2月13日:4件
2月14日:2件 *
2月15日:0件 *
このような地震数減少が起こるのは、日本列島が載っているプレートに対して、周囲のプレートからかかる圧力が大きな固着域に集中してしまっていて、その周囲で起こっていた地震が起こらなくなってしまっているのだと考えられ、かなり近い将来、大きな固着域が破壊される大地震が近いことを示していると思います。
なお、このような地震数減少は2011年の311大地震や2016年の熊本地震の前にも起こっていました。
(3)Hi-net自動処理震源マップのN=の値の変化はあまりありませんでした。
昨日と今朝の05:45時点での比較
「最新24時間」:
「日本全国広域」:276→276(増減なし)
「日本全国拡大」:273→273(増減なし)
「北海道」 :020→013(減少07)
「東日本」 :156→176(増加20)
「本州中部」 :106→106(増減なし)
「西日本」 :101→093(減少08)
増減なしが3地域で起こっていて、全体的に変動が小さいです。そのため、陸域での大きな地震が、明朝までに起こる可能性はかなり小さいと思えます。
「最新7日間」:15以上変動があった地域:
「茨城県」:593→616(増加23)
「群馬県」:236→220(減少16)
「岐阜県」:303→325(増加22)
「愛知県」:284→299(増加15)
「奈良県」:285→267(減少18)
「佐賀県」:200→220(増加20)
「熊本県」:281→375(増加94)*表示間違えの可能性
「大分県」:236→297(増加61)*表示間違えの可能性
「宮崎県」:394→410(増加16)
「鹿児島県」:319→334(増加15)
「熊本県」と「大分県」については、昨日朝の記事で述べたとおり、表示間違えだと思います。奈良県での大きな地震の可能性があると思いますが、変動幅が小さくなっていますから、可能性は小さくなっていると思います。
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