2020年2月22日 11:30現在の地震の起こり方について:
九州・沖縄地方の地震の起こり方に変化が出てきています。まず、この2月は沖縄の震度1以上地震がまだ1件しか発生していません。更に、九州地方の最大震度が1の地震の割合がかなり小さいのです。通常70%程度はある最大震度が1の地震がこの2月は30%もありません。最大震度が2よりも大きい地震が70%以上を占めているのです。これは、しかしながら、九州・沖縄地方での大きな地震の前兆と言うよりは関東付近での大きな地震の前兆である可能性が高いと思われます。以下、その根拠です。2019年1月以降の月別変動で示します。
次の表は2020年2月21日現在で今年2月分を集計したものです。
1.九州と関東で同じ変動が起こること:
地震数:
九州:関東
01月:37:36
02月:27:27
03月:32:29
04月:15:13
05月:32:26
06月:26:35
07月:25:30
08月:21:10
09月:23:19
10月:08:19
11月:23:37
12月:27:29
01月:30:23
02月:10:15
2019年の前半の地震数最少は九州も関東も4月であり、最多は同じく1月であること。2019年後半で見ると関東の最少は8月だが九州の最少は8月となってずれがあるが、8月から10月の3か月間で見ると、5月から7月の3か月間よりも減少していることは九州も関東も同じ。
M4以上地震
九州:関東
01月:13:09
02月:06:08
03月:05:07
04月:01:03
05月:12:07
06月:02:12
07月:03:08
08月:02:02
09月:01:06
10月:01:09
11月:04:09
12月:06:10
01月:03:07
02月:03:06
M4以上地震で見ても、九州と関東は同じような変動を示している。2019年前半は4月が最少であり、2019年後半は8月から10月が減少期で九州も関東も同じ。
最大震度が1の地震数の全体に対する割合
九州:関東
01月:62:56
02月:74:59
03月:69:69
04月:93:69
05月:56:73
06月:75:49
07月:80:57
08月:71:80
09月:70:58
10月:63:47
11月:61:61
12月:70:52
01月:67:52
02月:30:33
この2月の割合が九州、関東共に30%台であり、極端に最大震度1の地震の割合が下がっていることが分かります。
九州地方は離島が多いため、最大震度が1になる確率が元々大きいため、全体的に九州の方が数値が大きく出ます。離島が多いと、海域には地震計がないため、離島の陸域でその周囲の海域の地震を計測することになり、結果的に遠隔地の地震を計測していることになるからです。
ここでは、最小値に注目して、九州の最小値は5月の56%ですが、関東の最小値は10月の47%、そしてその次に小さいのが6月の49%であることです。最大震度が1の地震の割合が小さいことは、比較的大きな地震が多かったことになりますが、九州に遅れて関東で最大震度が1の地震数が減少するのです。九州でまず大きな地震が多くなり、その次に関東で大きな地震が増加する傾向があることになります。
この2月の九州地方の最大震度1地震の減少は既に関東にも表れていて、かなり近い将来、関東での大きな地震の連鎖が起こるはずです。
なお、2019年の九州地方の大きな地震の連鎖はM6台があった1月と5月です。
2019年1月8日 10時01分ごろ 奄美大島近海 M4.4 4
2019年1月8日 21時39分ごろ 種子島近海 M6.4 4
2019年5月10日 7時43分ごろ 日向灘 M5.6 3
2019年5月10日 8時48分ごろ 日向灘 M6.3 5弱
2019年5月10日 9時07分ごろ 日向灘 M4.9 3
2019年5月10日 13時54分ごろ 日向灘 M4.2 1
2019年5月10日 20時40分ごろ 日向灘 M4.8 2
2019年5月11日 8時59分ごろ 日向灘 M4.9 4
関東での月別のM5以上地震数は次の通りです。
関東でのM5以上地震数(震度1以上を記録したもの)
01月:3件
02月:1件
03月:1件
04月:2件
05月:1件
06月:5件
07月:2件
08月:0件
09月:1件
10月:3件
11月:0件
12月:1件
01月:3件
02月:3件
関東でのM5以上地震の最多は6月であり、九州の5月からの1か月遅れになっています。
2.フィリピン海プレートは海嶺がなく、フィリピン海プレート自体が独立して存在してきたものではなく、遠い昔に太平洋プレートの先端部分が大きく割れて分離したものであるとの見方があります。そうであれば、基本的にフィリピン海プレートは太平洋プレートの一部としての動きをするのが当然で、日本あたりでの太平洋プレートの動き方の変動が、ほぼそのまま日本あたりでのフィリピン海プレートの動き方の変動になるのは当然です。
Hi-net自動処理震源マップの変動は全体的に小さいです。しかしながら、「最新7日間」では減少がある程度大きく出ていますから、内陸・沿岸部で、明朝までにM5程度の地震が起こる可能性がある程度高いと思います。地域としては、「最新7日間」で15以上の変動があった地域です。
昨日04:45と今朝の06:45での比較
「最新24時間」:
「日本全国広域」:270→280(増加10)
「日本全国拡大」:266→275(増加09)
「北海道」 :021→023(増加02)
「東日本」 :178→173(減少05)
「本州中部」 :094→113(増加19)
「西日本」 :080→104(増加24)
「最新7日間」:15以上変動があった地域:
「茨城県」:576→558(減少18)
「栃木県」:452→429(減少23)
「群馬県」:172→155(減少17)
「富山県」:231→211(減少20)
「石川県」:080→064(減少16)
「福井県」:120→139(増加19)
「長野県」:257→240(減少17)
「滋賀県」:132→153(増加21)
「大阪府」:237→252(増加15)
「福岡県」:161→146(減少15)
「佐賀県」:161→146(減少15)
「熊本県」:259→236(減少23)
「大分県」:252→223(減少29)
「宮崎県」:323→301(減少22)
「沖縄県」:130→161(増加31)
最大の変動幅は「沖縄県」の増加31です。この2月、沖縄地方では震度1以上地震の発生が19日まではなく、
2月20日 16時18分頃 与那国島近海 M4.2 1
があったため、増加になったと思われます。
「福井県」で増加19、「長野県」で減少17は隣接している地域でのねじれなので、この付近での比較的大きな地震が起こりやすくなっていると思えます。更に、「最新24時間」で「東日本」のみが減少であるため、「最新7日間」では変動が捉えられていない「岩手県」とか「宮城県」、「福島県」の海域での比較的大きな地震が起こりやすいと思います。
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