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2020年4月25日の地震の起こり方

2020年4月25日 10:00現在の地震の起こり方について: 長野県中部の微小地震の発生数は減少しつつあります。しかし、昨日と今朝の05:45でのHi-net自動処理震源マップの「最新7日間」の「長野県」のN=の値(微小地震の数)は「長野県」で増加1331にもなり、ほぼ1分に1件程度の割合で微小地震が起こっていることが分かります。 長野県中部でM5.5が発生したのは4月23日13時44分ですから、本日4月25日08:00現在で42時間程度経過していることになるのですが、依然として微小地震は活発に発生をしています。「長野県」「最新7日間」の今朝の05:45と07:45では21の増加で、ほぼ3分に1件の割合にまで減少していますが、まだかなり活発です。 4月23日13:44のM5.5以降の震度1以上地震の数を午前と午後で集計すると次のようになります。 長野県中部: 4月23日午後:16件 4月24日午前:03件 4月24日午後:07件 4月25日午前:03件(*08:00まで) 上にあるように、24日の午前には5分の1程度にまで減少しましたが、24日午後にはその倍に増加し、本日の午前中も同程度の発生がある様子です。 23日午後の多発から24日午前の減少は、M5地震が起こったことによってその地域での歪みが一時的に解消したからでしょう。しかし、より広い地域から圧力が長野県中部にかかっていて、そのために24日午後の地震数増加に至っているのだと思います。実際24日午前はマグニチュードが3.1、3.0、3.2、24日午後は3.0、3.0、3.4、3.5、2.8、2.9、3.6となっていて、24日の最後の地震が最大地震です。 また、「最新7日間」の「静岡県」で東海地震の震源域の輪郭を示す微小地震が3月はほぼ消えていたのですが、この4月にその東側(御前崎の東側の海域で伊豆半島との間)にかなり数多く起こっていました。今朝4月25日の「静岡県」の「最新7日間」では半分程度にまで減少していますが、「最新30日間」を見ると、その数の多さが分かります。なお、311大地震以降は、原則として、御前崎を中心として、北に出っ張った半円を描くように微小地震が分布していて、御前崎の南西側の海域にも微小地震があったのですが、現在は南西側の微小地震がほぼありません。この現象は、糸魚川静岡構造線での微小地震増加を意味していると思えます。御前崎の東側の微小地震は糸魚川静岡構造線の南方方向の延長線上に分布しているからです。 長野県中部地震の位置は糸魚川静岡構造線よりもかなり西にずれています。そして、「最新30日間」の「東日本」などを見ると、糸魚川静岡構造線よりも、この長野県中部地震の付近でずっと多く、かつ広域に微小地震が発生していることが分かります。 311大地震の前の状況を見ると、311大地震の震源域のずっと西側で地震が発生しました。2004年中越地震、2007年中越沖地震、2008年宮城岩手内陸地震です。このような地震の起こり方になっている原因は、日本列島付近で働いている最も大きな力が太平洋プレートの西向きの沈み込み圧力だからでしょう。 そして、長野県中部地震についても、今後は多分より東側の地域でM6以上の地震が起こっていくものと思えます。一番可能性が高いのが霞ケ浦の西側の地域だと思います。根拠は次の通りです。 「最新7日間」の「東日本」を見ると、霞ケ浦の西側の地域、茨城県の南西部に震源深さの50キロから120キロ程度の地震を示すドットが数多く表示されていることが分かります。この地域以外には日本列島全体で見ても、これほどこの深さの地震が頻発している地域はなく、311大地震の震源域の南側である霞ケ浦の緯度で太平洋プレートの沈み込みが活発化していると思えます。そのため、この緯度で、海溝部に働く太平洋プレートの下へ引く力が大きくなっていて、それが、海溝部の固着域から陸のプレートへ伝達され、陸のプレート内の比較的浅い地震が起こりやすくなっているはずです。 霞ケ浦の西側は比較的東京湾北部にも近く、東京湾北部が起こってしまう可能性もある程度高いと思います。 「福島県」06:00頃の値 4月19日:273 4月20日:257 4月21日:276 4月22日:275 4月23日:268 4月24日:266 4月25日:257 「茨城県」06:00頃の値 4月19日:504 4月20日:447 4月21日:461 4月22日:442 4月23日:415 4月24日:451 4月25日:456 「千葉県」06:00頃の値 4月19日:287 4月20日:243 4月21日:247 4月22日:228 4月23日:224 4月24日:254 4月25日:267 「東京都」06:00頃の値 4月19日:098 4月20日:102 4月21日:110 4月22日:125 4月23日:135 4月24日:174 4月25日:183 「埼玉県」06:00頃の値 4月19日:243 4月20日:214 4月21日:231 4月22日:214 4月23日:196 4月24日:177 4月25日:162 上の5地域で4月19日と今朝の値の差が最も大きいのは「東京都」です。約90程度の差があり、19日の値の2倍程度に今朝は増加しています。また、「埼玉県」は反対に減少していますから、どちらかと言うと、南関東で地震が起こりやすくなっていると思います。 Hi-net自動処理震源マップの「最新24時間」のN=の値: 昨日05:45と本日05:45での比較 「最新24時間」: 「日本全国広域」:820→767(減少53) 「日本全国拡大」:817→763(減少54) 「北海道」   :008→014(増加06) 「東日本」   :750→684(減少66) 「本州中部」  :636→606(減少30) 「西日本」   :071→072(増加01) 「東日本」と「本州中部」の変動幅の差が今朝は40程度です。昨日はこの倍程度あったため、今朝は変動がかなり小さくなっていると思えます。その意味で「東日本」の内陸部で明朝までにM6以上地震が起こる可能性はかなり小さいと思います。 また、「西日本」はわずか増加01ですから、少なくとも明朝までに西日本の内陸部ででM5以上の地震が起こる可能性はほぼないはずです。 「北海道」は大きな地震が起こるのは千島海溝沿いであり、「最新24時間」では海域の微小地震の捕捉率があまりないため、増加06という変動幅の小ささから大きな地震が起こらないということはあまり言えないと思います。 「最新7日間」:15以上変動があった地域: 「群馬県」:189→173(減少16) 「埼玉県」:177→162(減少15) 「神奈川県」:157→137(減少20) 「富山県」:1011→2344(増加1333) 「石川県」:847→2209(増加1362) 「山梨県」:455→599(増加144) 「長野県」:1064→2395(増加1331) 「岐阜県」:1016→2362(増加1346) 「愛知県」:209→192(減少17) 「沖縄県」:190→158(減少32) 長野県中部地震の震源域を含んだ地域は全て1300以上の増加です。4月23日の13:44が「最新7日間」の期間から外れる4月30日の午後までは増加傾向が続くはずです。「群馬県」や「埼玉県」の減少は長野県中部地震発生の為にほぼ同じ緯度での陸のプレート内の圧力低下が原因のはずで、このあたりでの地震の前兆ではないと思います。「神奈川県」、「愛知県」の減少も主に御前崎の南東沖の海域での微小地震減少が原因と思え、こちらも長野県中部地震の影響での減少のはずです。 「沖縄県」の減少は沖縄本島の南東沖で発生していた群発地震が収まってきたからであり、こちらも大きな地震の前兆としてのN=の値の減少ではないと思います。

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