2020年5月11日 08:20現在の地震の起こり方について: Hi-net自動処理震源マップの「最新24時間」の「日本全国広域」の値がかなり平常値に近いものに戻ってきました。平常値は300程度なのですが、今朝は328です。ただ、これが比較的大きな地震の前兆としての減少である可能性もあるのです。ある一つの出来事がプラスにもマイナスにも見ることが出来るということがよくあります。最終的に正負を決めるのは、より大きな視点で見ての判断しかありません。そして、EMSCなどで見ると、世界的に地震活動の活発化は明らかです。気象庁の震度データベースで日本全体の最新10年間のマグニチュード5以上の地震の震度別地震回数表を出力させると、2010年5月10日から2020年5月9日までの期間で次のような結果になります。 日本全体:M5以上 2010年:055件(*2010年5月10日から) 2011年:671件 2012年:141件 2013年:112件 2014年:080件 2015年:097件 2016年:123件 2017年:076件 2018年:086件 2019年:077件 2020年:029件(*2020年5月9日まで) 2016年に増加しているのは主に熊本地震の影響だと思います。しかし、全体的に見て徐々に減少してきていることが分かります。しかし、関東地方の陸域だけを指定して作成させると次のようになります。 関東陸域のみ:M5以上 2010年:01件(*2010年5月10日から) 2011年:14件 2012年:11件 2013年:06件 2014年:02件 2015年:02件 2016年:07件 2017年:03件 2018年:03件 2019年:03件 2020年:04件(*2020年5月9日まで) 今年2020年は既に4件発生していて、1年に換算すると8件になってしまいます。かなり明確に今年の地震活動活発化が示されているのではないでしょうか。 日別の長野県中部地震の数: 4月22日:05件 4月23日:16件 4月24日:10件(3日間移動合計:31件) 4月25日:08件(3日間移動合計:34件) 4月26日:14件(3日間移動合計:32件) 4月27日:06件(3日間移動合計:28件) 4月28日:03件(3日間移動合計:23件) 4月29日:01件(3日間移動合計:09件) 4月30日:02件(3日間移動合計:06件) 5月01日:00件(3日間移動合計:03件) 5月02日:00件(3日間移動合計:02件) 5月03日:02件(3日間移動合計:02件) 5月04日:00件(3日間移動合計:02件) 5月05日:01件(3日間移動合計:03件) 5月06日:01件(3日間移動合計:02件) 5月07日:00件(3日間移動合計:02件) 5月08日:02件(3日間移動合計:03件) 5月09日:00件(3日間移動合計:02件) 5月10日:00件(3日間移動合計:02件) 長野県中部地震M5発生以来、初めて二日間にわたって長野県中部地震が起こりませんでした。ただ、これが続くかどうかははっきりしません。 「福島県」06:00頃の値 5月05日:338(前日との差:増加05) 5月06日:301(前日との差:減少37) 5月07日:319(前日との差:増加18) 5月08日:334(前日との差:増加15) 5月09日:335(前日との差:増加01) 5月10日:341(前日との差:増加06) 5月11日:339(前日との差:減少02) 「茨城県」06:00頃の値 5月05日:560(前日との差:増加54) 5月06日:570(前日との差:増加10) 5月07日:603(前日との差:増加33) 5月08日:650(前日との差:増加47) 5月09日:648(前日との差:減少02) 5月10日:639(前日との差:減少09) 5月11日:648(前日との差:増加09) 「千葉県」06:00頃の値 5月05日:318(前日との差:増加46) 5月06日:354(前日との差:増加36) 5月07日:370(前日との差:増加16) 5月08日:391(前日との差:増加21) 5月09日:391(前日との差:増減なし) 5月10日:374(前日との差:減少17) 5月11日:377(前日との差:増加03) 「東京都」06:00頃の値 5月05日:149 5月06日:192 5月07日:206 5月08日:210 5月09日:221 5月10日:223 5月11日:221 「埼玉県」06:00頃の値 5月05日:213 5月06日:250 5月07日:268 5月08日:283 5月09日:285 5月10日:292 5月11日:299 Hi-net自動処理震源マップの「最新24時間」のN=の値: 昨日05:45→本日05:45での比較 「最新24時間」:ーーーーーーーー(本日の変化:昨日の変化:一昨日の変化) 「日本全国広域」:368→328(減少040:増加034:減少072) 「日本全国拡大」:362→326(減少036:増加030:減少071) 「北海道」 :012→015(増加003:減少008:増加015) 「東日本」 :278→230(減少048:増加023:減少053) 「本州中部」 :188→166(減少022:増加023:減少066) 「西日本」 :083→084(増加001:増加019:減少026) 「東日本」と「本州中部」で減少幅に26の差があります。「東日本」の方が減少幅が26大きいのです。この原因として、 2020年05月11日 02時23分頃 伊予灘 M3.8 最大震度2 が起こっているため、「愛媛県」とか「大分県」で15を超える増加になったからかと思ったのですが、それぞれ減少08、増加04でした。震源深さが約60キロで、ほとんど余震が検知されていないための様子です。 そのため、「本州中部」の増加が一部であったわけではなく、「東日本」の減少幅が大きいという事のようです。よって、東日本付近で比較的大きな地震が起こりやすいと思います。 昨日、 >明朝までに内陸部や沿岸部でM5以上地震が起こる可能性が北日本及び千葉県付近で起こる可能性が高いと思います。>根拠は、Hi-net自動処理震源マップの「最新24時間」で見ると、東北北部で震源深さ100キロ程度の地震を示すドットが関東地方よりも多く表示されていること。北海道は浅い地震を示すドットがなく、比較的深い地震を示すドットばかりになっていること。関東平野の南部で比較的深い地震を示すドットが北部に比べて多く表示されていること。 と書いたのですが、結局、震度1以上を観測した地震は東日本で全く発生しませんでした。岩手県沖地震が24時間以内に3件連続したため、そして、こういった連続は過去2年間で見ても例がなかったため、岩手県地震連続を深刻にとらえすぎたことが間違った原因だと反省しています。 結局、日本海溝のあたりにある大きな固着域の規模というか、性質と言うか、そういったモノの感覚がまだきちんととらえ切れていないことが原因だと思います。非常に大きなものとして、北から、襟裳海山、いわき沖、犬吠埼の3か所があると考えているのですが、そして、その根拠もかなり客観的に示せるのですが、多分これら以外にも岩手県中部沿岸部とか、宮城県牡鹿半島沖などの固着域があるはずで、これらの性格と言うか、相互の関連性などをまだきちんと見切れていないと思います。 「西日本」の内陸部および沿岸部でのM5以上地震が明朝までに起こる可能性はほぼないと思います。 「長野県」、「最新7日間」の増加幅の変動 ==========05:45頃の値=前日との差(「前日との差」の値の変動値) 4月24日:1064=0567 4月25日:2395=1331(+764) 4月26日:3651=1256(ー75) 4月27日:4843=1192(ー64) 4月28日:6401=1558(+366) 4月29日:7260=0859(ー699) 4月30日:7977=0717(ー142) 5月01日:6836=1141(+424) 5月02日:6132=0704(ー437) 5月03日:5603=0529(ー175) 5月04日:4649=0954(+425) 5月05日:3983=0666(ー288) 5月06日:3775=0208(ー458) 5月07日:3730=0045(ー163) 5月08日:3340=0390(+345) 5月09日:3105=0235(ー155) 5月10日:2731=0374(ー139) 5月11日:2387=0344(ー30) 「最新7日間」:15以上変動があった地域: 「岩手県」:258→289(増加31) 「富山県」:2703→2353(減少350) 「石川県」:2565→2214(減少351) 「山梨県」:0704→0643(減少061) 「長野県」:2731→2387(減少344) 「岐阜県」:2728→2389(減少339) 「京都府」:138→121(減少17) 「兵庫県」:238→219(減少19) 「鹿児島県」:500→444(減少56) 「鹿児島県」の減少56は比較的大きな値です。次の地震の影響かと考えたのですが、違う様子です。 2020年05月03日 20時54分頃 薩摩半島西方沖 M6.0 最大震度3 2020年05月03日 21時01分頃 薩摩半島西方沖 M4.7 最大震度2 上の地震の影響であれば、5月4日とか5月5日の「最新7日間」のN=の値が大きく増加していないといけないのですが、あまり大きな増加がないのです。そのため、今朝の減少56は比較的危ない前兆だと思います。どちらかというと、奄美大島付近での大きな地震か、または伊豆諸島付近での大きな地震の前兆になっている可能性があります。
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