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2021年8月前半の地震の起こり方のまとめ

8月前半の地震の起こり方まとめ
EMSCの地震データで調べると、この8月前半はM7以上地震が世界で5件も発生しています。7月下旬にはアラスカでもM7があり、半月ほどの間に6件のM7が発生していて、大きな地震の多発傾向が出てきているように思います。

(*以下のデータは日本気象協会の地震情報サイトからのものです。)
2021年07月29日15時16分頃		アラスカ半島	M8.2		  
2021年08月12日02時46分頃		フィリピン付近	M7.2		  
2021年08月13日03時32分頃		南大西洋		M7.5		  
2021年08月14日20時58分頃		アリューシャン列島	M7.0		  
2021年08月14日21時29分頃		中米ハイチ		M7.2		  


その影響がある程度あると思いますが、日本での地震の起こり方も、かなり異常があります。最もそれが出ているのが関東地方です。
以下は、8月15日までの関東地方の震度1以上地震の一覧です。

*各行末の数字1とか2は最大震度。

2021年08月02日17時24分頃		千葉県東方沖	M3.6	2	  
2021年08月03日00時35分頃		茨城県沖		M4.7	1	  
2021年08月03日16時28分頃		茨城県沖		M4.6	1	  
2021年08月03日19時29分頃		茨城県沖		M5.1	2	*M5以上	  
2021年08月03日20時17分頃		茨城県沖  	M4.4	1	  
2021年08月04日05時33分頃		茨城県沖		M6.0	3	*M5以上	  
2021年08月04日05時39分頃		茨城県沖		M4.7	1	  
2021年08月04日05時43分頃		茨城県沖		M5.6	2	*M5以上	  
2021年08月04日07時11分頃		茨城県沖		M4.9	1	  
2021年08月04日11時56分頃		茨城県沖		M5.0	2	*M5以上	
*
2021年08月04日13時40分頃		茨城県沖		M5.8	2	*M5以上	  
2021年08月04日15時08分頃		茨城県沖		M4.9	1	  
2021年08月04日15時15分頃		茨城県沖		M4.6	1	  
2021年08月04日18時26分頃		茨城県沖		M4.7	1	  
2021年08月04日19時28分頃		茨城県沖		M4.6	1	  
地震空白期:5日間:08月05日から8月09日
2021年08月10日01時15分頃		茨城県沖		M4.0	1	  
2021年08月11日03時36分頃		茨城県沖		M3.0	2	  
2021年08月12日00時46分頃		千葉県東方沖	M2.7	1	  
2021年08月12日20時36分頃		千葉県南東沖	M4.2	2  
2021年08月13日09時48分頃		茨城県沖		M3.8	2	  
*
2021年08月13日18時41分頃		茨城県南部		M3.0	1	  
地震空白期:2日間:08月14日から8月15日

全体で21件(陸域:1件、海域:20件)・(震度1:12件:57%)・(M4以上:16件:76%、陸域:0件、海域:16件)

目立つのが茨城県沖であり、21件中4件を除いた17件が茨城県沖です。これ等の地震は鹿島第一海山と言う日本海溝(東日本の太平洋沖で太平洋プレートが東日本が載っている陸のプレートの下へ沈み込みをしている海溝)の南端で日本海溝に半分沈み込みをしかけている海山とほぼ同じ緯度で、より日本列島に近い経度で起こっています。多分、鹿島第一海山からの太平洋プレートの沈み込みを受けて、そこの固着域からの西向き圧力が大きくなり、それで発生している地震です。震源深さは、気象庁の発表によると、5キロとか7キロとから17キロとか19キロ程度の深さです。
上のような関東地方の地震の起こり方の問題は、海域での地震が大部分で陸域が1件しかないことです。通常はほぼ同数ぐらいが発生しているため、陸域での大きな地震が起こりやすくなってきていると思われます。ただ、どの程度それが切迫しているかははっきりしません。

本日8月16日、滋賀県北部でM4地震が連続しました。滋賀県北部でM4以上地震が発生することはかなり珍しく、311以降では2014年に2件あっただけです。滋賀県北部は若狭湾に近く、西日本と東日本の接続部であるため、東日本にかかっている大平洋プレートからの西進圧力が最も歪みとして出やすい地域です。この地震が起こると、日本各地でM6程度の比較的大きな地震が起こりやすい傾向があります。

なお、311が発生した2011年の前年である2010年12月には父島近海でM7が発生し、その後数十件のM5以上の余震が発生しました。このことは、311大地震の前に、太平洋プレートが伊豆・小笠原海溝からかなり沈み込みをしたということだと思います。

今回のM7規模の大地震の連鎖の内、余震が最も多く起こっているのは南大西洋のもので、南アメリカ大陸の南端の東方沖合でのものです。そのため、大西洋中央海嶺の活動がかなり活発化している可能性があります。そして、その結果、大西洋の海底が拡大し、南北のアメリカ大陸が東へ押しやられ、環太平洋火山帯に近い所でM7が多発しているのではないかということです。

ところで、EMSCで見ると、今年はM7が既に14件も発生しています。M7程度の地震が多発した後に、M9規模の大地震が発生する傾向があります。
以下はEMSCで年毎のM7以上地震の件数を一覧にしたものです。2004年11月1日から今年8月16日までのものです。

2004年:09件(年間換算すると約40件:2004年の11月が6件、12月が3件。12月26日にM9が発生。)
2005年:11件
2006年:11件
2007年:18件
2008年:13件
2009年:16件
2010年:23件(年間を通して、7月の4件が最多)
2011年:19件(1月:3件、2月:0件、3月:4件。3月11日にM9発生)
2012年:17件
2013年:19件
2014年:12件
2015年:18件
2016年:17件
2017年:08件
2018年:18件
2019年:10件
2020年:08件
2021年:14件(年間換算すると約21件)

2004年12月26日のスマトラ島沖M9の時は前月である2004年11月にM7以上地震が6件と言う多発でした。2011年3月11日の日本でのM9の時は、前年の2010年に年間を均して23件の多発でした。今年2021年はこの8月前半に多発傾向があり、2004年11月と似ていると言えば言えそうです。

M9は太平洋を挟んで東西とか南北で交互に起こる傾向があり、前回は日本でしたから、次はどちらかと言うと、南北アメリカ大陸で発生する可能性が大きいと思われます。

なお、M9よりもM7の方がずっと発生確率は高いため、首都圏でM7が発生する可能性の方が、南北アメリカ大陸でM9が発生する確率よりも1000倍程度大きいです。
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