5月4日22:07頃の千葉県北東部M5.5、震源深さ約50キロの地震について: 逆断層型で東西方向に押す力が働いた地震です。これは5月23日の長野県中部地震と全く同じです。この意味で、地域一帯に同じ方向に広い範囲で力が働いていることになり、今後かなり短期間のうちに、つまり、半日とか一日程度でまだ同じ程度又はより大きな地震が起こる可能性があります。ただ、震源深さが約50キロとある程度深いため、実際に起こる可能性はある程度小さいと思います。22:34に茨城県沖、M4.4、震源深さ約50キロ、逆断層型の東西方向に押す力の地震が発生しました。今後も未だ警戒が必要だと思います。 なお、長野県中部地震は、4月22日にM3.8が起こり、その後23日のM5.5までに7件のM3程度の地震が起こっていますが、震源深さは全てごく浅いか約10km程度です。連続して大きな地震が起こったことが有名になった2016年の熊本地震も20キロ程度の深さでした。 千葉県での地震でしたが、Hi-net自動処理震源マップの「最新7日間」の「千葉県」では全く前兆現象が出ていないと思います。この7日間の朝6時ごろのN=値の推移は次のとおりでした。 「千葉県」06:00頃の値 4月28日:366 4月29日:363 4月30日:372 5月01日:297 5月02日:274 5月03日:274 5月04日:272 4日前の372から見ると、今朝はちょうど100の減少で、この意味で、M5程度の地震の発生を予測するべきであったとは思います。ただ、5月2日から連続して270程度で推移していて、減少後、二日程度以内に大きな地震が起こる傾向が強く、その意味で、今回の地震での予知は無理でした。結局、震源深さが50キロ以上のある程度深い地震ですと、その震源深さ付近での微小地震が起こり難い、または起こっても観測が出来ず、N=の値として出てこないため、Hi-net自動処理震源マップの地域別の値で、都道府県レベルで地域を絞った予測はかなり難しいと思います。 ただ、Hi-net自動処理震源マップの「最新24時間」は大きな変動がこの数日出ていて、その意味で今回の地震は明確な前兆があったと思います。まずい点は、「最新24時間」は県別ではなくて、東日本などのかなり広い地域でしか値が公表されていないことです。今朝の記事では、 >昨日の変動から見ると、今朝の「東日本」や「本州中部」は140程度の相当に大きな変動です。その意味で、東日本から関西程度までの地域で内陸又は沿岸部のM5以上の地震が起こりやすくなっていると思います。 と書いていて、千葉県と言う地域を挙げることはできていません。非常に大まかな地方レベルでの予知が出来ていただけです。 ところで、今朝の書き方は「M5以上の地震が起こりやすくなっている」となっています。本来であれば、「2日間程度の内に起こるはずです」とか、「起こる可能性がかなり大きいです。」と書くところだったのです。それだけ変動幅が大きかったためです。なぜ、単に「起こりやすくなっている」と書くことになったかというと、5月2日の記事で >「最新24時間」の「東日本」や「本州中部」の減少幅が100以上であり、本州付近での相当に大きな地震が明朝までに起こる可能性が高いです。昨日は、「東日本」増加56、「本州中部」増加46であったわけで、それを考えると、今朝の減少100以上への変化はその変動幅が非常に大きいことが分かります。この意味でも、今後24時間から48時間程度で内陸又は海域で相当に大きな地震が本州付近で起こると思われます。 と書いたのにもかかわらず、48時間以内では該当する地震が起こらなかったからです。5月3日の時点で、これは何らかのシステム的な不具合が起こっていたからかと思っていたのですが、今朝の時点でも依然として変動幅の大きい状態が続いているため、不具合ではなく、本当の値が出ているのかなと思い始めていました。そして、実際に千葉県北東部でM5が発生してしまったため、5月2日の変動も事実であると見るしかないと思います。 問題は、このような変動は、M6とかM7レベルの前兆である可能性が高いことです。「最新24時間」で100程度の増減が繰り返され、かつ減少100の直後にはそれに見合う地震が起こっていないのです。このような推移を説明するためには、非常に大きな固着域を仮定しなければなりません。しかも、減少100の直後にはそれに見合う地震が起こっていないため、サイレント滑り、大きな地震を起こさないままプレート間がずれる現象が起こっている地域が非常に大きな固着域の近くにあることになります。この条件を満たす地域は犬吠埼です。犬吠埼付近は岬であり、地下に大きな海山が沈み込んでいて、そのために海底が持ち上がり岬になっているのです。また、犬吠埼付近は正断層型の浅い地震が311大地震以降頻発していて、この現象は海山の上面が陸のプレート下面を鉛直上方向に押し上げるため、お豆腐を何かの上に置いたときに、お豆腐の下面がその何かによって押し上げられて、お豆腐の上面に割れ目が出来るように、浅い所で左右に引く力が働いて正断層型の地震が起こるのです。これが大きな固着域となります。サイレント滑りについては、蛇紋岩があります。犬吠埼よりも南側の房総半島には太平洋プレートがかなり急角度で沈み込んでいるために、蛇紋岩と言うかなり柔らかい岩石が地下深くから上昇してきているのです。この岩石がプレート境界にあると、潤滑油のような役割を果たし、衝撃波を発生する地震を起こすことなくプレート間が滑るのです。 また、震源深さが50キロ程度以上ですと、浅い地震が前兆として起こることはあまりないはずで、それにもかかわらず、主に浅い地震を数えている「最新24時間」で100程度の変動が出ていることは、今回の千葉県北東部M5.5だけでなく、より大きな地震の前兆として変動が起こっていると見るしかないからです。 犬吠埼付近に強い西向き圧力が働いているとすると、その西方向で比較的浅い地震が起こりやすくなります。第一候補は霞ケ浦の西方であり、その次が東京湾北部です。犬吠埼付近の固着域は相当に広大であり、簡単には滑らないはずですから、犬吠埼よりも先により内陸部でM6以上が起こります。いつ頃になるかははっきりしませんが、かなり近い将来であることは明らかだと思います。 なお、今回のM5.5が起こった千葉県北東部地震は長野県中部地震が4月23日に起こった翌日に多発しています。 2020年04月24日 01時33分頃 千葉県北東部 M3.1 最大震度1 2020年04月24日 01時35分頃 千葉県北東部 M2.8 最大震度1 2020年04月24日 01時38分頃 千葉県北東部 M4.1 最大震度3 2020年04月24日 01時51分頃 千葉県北東部 M2.9 最大震度1 上の4件の千葉県北東部地震よりも今回のM5.5はより犬吠埼に接近した地点で発生しています。この意味でも、4月23日以来の長野県中部や千葉県北東部地震が犬吠埼付近の大きな固着域からの西向き圧力で起こされたと見なすことに合理性があると思います。***********************************************************************************
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