ウィルス治療薬は基本的にないので免疫を維持することが重要。
ウィルスについては基本的に治療薬はないようです。細菌については劇的に効果のある治療薬が開発されています。殺菌剤が存在しえるのは、動物の体の大きさに比べて細菌の大きさが格段に小さく、また、比較的特定の細菌だけに効果を発揮する薬剤があるからです。一般的に言えば、殺菌剤は動物にも有害であり、殺菌剤が存在しえるのは、動物の体が最近に比べて格段に大きいため、細菌だけを倒して、動物に対する影響を小さく抑えられるからです。なお、あくまで一部ですが、特定の細菌だけに効果があり、動物の体には影響を与えない薬剤もあるようです。
細菌についての特効薬があるのは、細菌がそれだけ複雑な生体システムを持っていて、そのシステムの一部を止めることで細菌の増殖を止めることが出来るからです。つまり、細菌は自らの体の中に、エネルギー生産・消費のシステムを持っていて、自ら分裂・増殖できます。その過程の一部を阻害することで、特効薬が作られているわけです。
ところが、ウィルスは自ら増殖するわけではなく、エネルギー生産・消費システムを持ってはいません。そのため、ウィルスの存在そのものを止める手段が今のところ見つかっていないのです。ウィルスは他の生体の細胞の中に入り込み、その細胞の増殖システムを乗っ取って増殖します。そのため、ウィルスを叩くには、その細胞を叩くことになり、結果的に治療薬が作れないのです。
ワクチンは、ウィルスに直接作用するものではありません。ワクチンは動物が元々持っている免疫システムを強化するためのものであり、わざと毒性を弱めたウィルスを使って、本来のウィルス感染が起こる前に免疫システムを高めるためのものです。結局のところ、ウィルスについては、動物が元々持っている免疫しか対抗手段がないのです。逆から言えば、生命体は何万年と言う進化の過程でウィルスに対する対抗手段を免疫と言う形で獲得してきているわけで、免疫を弱めないようにすることがカギだと思います。
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