# この記事は公開当初、 ウィックスによって 読了時間が1分と設定されていました。しかしながら 文字数は10000 文字以上あるわけであって、 読了時間が1分と設定されたこと自体が非常におかしなことでした。
また公開後1ヶ月以上経っても閲覧数が全く伸びませんでした。よって、この記事を読まれる方は、もし内容に何らかの不自然な点があった場合、 改ざんされている可能性があることをご承知おきください。#
令和元年年8月7日
告発状
告発人:891-0403 鹿児島県指宿市十二町4084-3
武田信弘
080-7989-8627
被告発人:
経済産業省(九州経済産業局を含む。)及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以降、JOGMECと呼びます。)に於いて、指宿市で行われた「地熱の恵み活用プロジェクト」に対する補助金担当者(具体的な氏名は確認していませんが、指宿市への補助金支出に伴い、その業務に携わった方たちを確認することはできます。)
指宿市市長:****
指宿市副市長:****
指宿市役所:891-0487 指宿市十町2424番地
電話番号:0993-22-2111
上記の方たちを、地熱開発をめぐる国からの補助金に関しての公金横領、及び背任の罪で告発します。なお、補助金の出し手である経済産業省、九州経済産業局やJOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の、補助金支出を担当した関係者が事件全体の指揮を執っていた可能性が高いと思われます。司法取引を適用して、指宿市関係者の起訴をしないことを要請したいと思います。
書類上明らかになっているだけで8000万円余りの補助金の支出を証明する書類が指宿市の会計規則に多くの点で違反し、矛盾があります。支出命令書などに起案者氏名がなく、担当課名のみが記載されています。支出負担行為書で必要とされている合議欄に合議をしたことを示す印が押されていません。更に決定的なことに、振込みでの支出の場合に指宿市の会計規則で必要とされている指摘金融機関の領収書が示されず、単に支出命令書の「支払済印」の欄に「出納印」が押されていることを持って領収書だと指宿市は主張しています。しかも、この告発状の”(1)公金横領”の部分で述べるように、いぶすき農協の出納印が不正に使われている可能性が非常に高いのです。金融機関の出納印が不正に使われているとなれば、会計の信頼性は全くないことになります。
更に、地熱開発に際して行ったとされる地熱資源量探査について、その報告書が情報開示請求で非開示になったため、平成29年12月に指宿市の情報公開審査会へ審査請求をしましたが、別紙「電磁探査(MT探査)が行われていないことを示す証拠」などで述べる理由により審査会から出されたとされる答申書自体が偽造されている証拠が幾つもあります。例えば、答申書が出た直後、裁決書の作成を指宿市が拒み、裁決通知書で済むと主張し、こちらで総務省に問い合わせて必要だとの言質を取った後に裁決書を作成するとか、答申書に答申を出した時の審査会委員名の記載が国の法令上決まっているのにもかかわらず、指宿市情報公開条例にその記載がないことを理由に委員名の記載と拒んでいます。更に決定的なのは、答申書の内容自体が重要な点でいくつもの瑕疵があることです。
また、成果物も明らかに民間企業へ委託料を支払った結果のものとは思えない、おざなりでごく初歩的な間違えが多いものです。委託に出す際に決められた地熱開発に関する基本的な数値に関しての根拠資料を求めても、不存在との回答が来ています。最も基本的な数値である地熱発電出力の見込み数値である2000kw、売電収入金額である年間5000万円などについて、その根拠資料を請求しても不存在と回答されています。
更に、経済産業省からの補助金について、その実績報告書には会計資料の添付をしていないと指宿市は回答をしているのです。
この告発状では、特に重要な個々の事実について述べます。証拠となる書証は(参照:)で示します。なお、公文書開示請求で交付された書類については、その通知書の文書記号・文書番号と日付を例えば「指産観第441号1 平成30年1月23日」のように記載してあります。詳しくは、別紙「公文書開示請求一覧」をご覧ください。
全体的な背景については、別紙「『地熱の恵み』活用プロジェクト全般についての説明」を参照してください。
証拠書類については、コピーを同封させて頂きますが、一部の証拠書類はA3で400ページ以上になるものものもあり、あまりに大量ですので、その一部分のみを今回お送りします。
告発人が公文書開示請求をしたものは、「公文書開示請求一覧」にあるとおり非常に大量で、今回の告発に直接関連がないものもあります。それらが必要であれば、ご連絡ください。
(1)公金横領
1.平成27年3月に指宿市は「地熱の恵み」活用プロジェクトを立ち上げました。平成27年度に、経済産業省からは4400万円程度、JOGMECからは3200万円程度の補助金を受けて、各種の成果物があったのですが、平成28年10月に凍結宣言が**市長により行われ、平成30年10月に地熱井戸掘削の補助金申請がJOGMECから却下されたとされています。問題は、約8000万円の補助を受けた成果物のどれもが、一般市民へは公開されず、告発人が平成29年末頃から公文書開示請求を行って交付を受けたところ、別紙(「電磁探査が行われていないことを示す証拠」、「たまて箱温泉基本構想について」、「農産物市場調査について」)に詳しく述べるように、どれも内容があまりに空疎であり、正式に民間へ委託した結果、成果が上がってきたものとは思えないことです。これらのことについては、FAXで****市長あてにどの点がおかしいかを知らせてあり、そういった状態にあることを確認してほしいとお願いしてありますが、一切返事がないため、FAXを送ってあるので返事をいただきたいという趣旨の内容証明郵便を3回にわたり郵送しています。しかし、それも返事がありません。しかも、通常、市役所宛ての文書は、文書受発簿に到着日、宛先、送り主などを記載することが指宿市文書取扱規程で決まっていますが、FAX・内容証明とも、文書受発簿の記載部分を公文書開示請求してみると、「不存在」という回答がされています。
(参照:別紙「電磁探査が行われていないことを示す証拠」、別紙「たまて箱温泉基本構想について」、別紙「農産物市場調査について」、指総市第175号1平成30年8月2日、指農農第289号1平成30年8月6日、指総市第174号1平成30年8月2日、指総市第173号1平成30年8月2日、指総市第172号1平成30年8月2日)
2.平成30年10月30日付の公文書開示請求で、「JOGMECからの書類」として、「平成27年度にJOGMECから補助金を受けた際の、採択決定の通知、及び、実際の支給の際の書類」の開示請求をし、公文書一部開示実施通知書(指総市第290号2 平成30年11月8日)で開示された書類に、「納付書・領収書」が2枚あります。これには、領収欄に、指宿市の指定金融機関であるいぶすき農協指宿庁舎の出納印が28.3.18と28.5.2の日付で押されています。金額は27,464,400円と4,665,600円です。しかし、「指宿市指定金融機関等事務取扱規程」によると、この「納付書・領収書」は、指宿市への支払を、直接現金で市役所内のいぶすき農協の窓口で行った場合に、指宿市の指定金融機関であるいぶすき農協の出納印が押されるものです。また、この「納付書・領収書」自体の作成は、指定金融機関ではなく、市役所内部のパソコンで行われているものです。JOGMECからの補助金入金は東京にあるJOGMECの指定金融機関を通して、指宿市の銀行口座へ振り込みでされるものであり、JOGMECからの補助金について「納付書・領収書」がこのような形で存在することはあり得ません。つまり、JOGMECから東京の金融機関へ振込みがされた段階で、指宿市の所定の口座へ補助金の入金がされるのです。よって、JOGMECからの補助金支給に関して、いぶすき農協の出納印が押された納付書・領収書があることは、いぶすき農協の出納印が何らかの理由で、不正に使われていることを明確に示しています。
以下に引用するように、「指宿市指定金融機関等事務取扱規程」では、「公金を納入者から直接収納する事務」を行うとして、「現金により公金の納付又は払込みがあったとき」、「納付通知書等の各片に,第5条の規定による収納に関して使用する印を押し,領収証書を納入義務者に交付しなければならない」となっています。つまり、このような「納付書・領収書」があることは、JOGMECが補助金分の現金を指宿市役所内のいぶすき農協の窓口まで持参して支払ったことになり、あり得ないのです。更に、仮にJOGMECが指宿市役所まで補助金を現金で持参したのであれば、直接、市役所の担当課の担当者が市長名の領収書をJOGMECへ渡すことになります。
指宿市指定金融機関等事務取扱規程
第3条 この告示において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 取扱店 指定金融機関等の店舗で,公金を納入者から直接収納する事務を行うものをいう。
第8条 取扱店は,納付通知書等に基づき,現金により公金の納付又は払込みがあったときは,内容を確認して収納しなければならない。
2 取扱店は,前項の規定により公金を収納したときは,納付通知書等の各片に,第5条の規定による収納に関して使用する印を押し,領収証書を納入義務者に交付しなければならない。
(参照:別紙「会計書類の瑕疵」、指総市第329号2 平成30年3月8日、指総市第290号2 平成30年11月8日、指宿市指定金融機関等事務取扱規程)
4.経済産業省からの補助金分について、委託先企業からの領収書ということで、企業名を明示して情報公開請求をしましたが領収書は交付されませんでした。指宿市会計規則では、口座振替の場合、「会計管理者は,前項の規定により口座振替をした場合,正当債権者の領収書を徴せず,指定金融機関の領収書をもってこれに代えるものとする」となっていて、少なくとも、指定金融機関の領収書が開示されないとおかしいので、委託先へ委託料を支払っていないと考えられます。
なお、この件について告発人が話をした指宿市の観光課の係員は、「指宿市指定金融機関等事務取扱規程」に
第16条 公金取扱総括店は,会計管理者から口座振替の方法による支払の通知を受けたときは,直ちに確実な方法により口座振替の手続をし,支出命令の所定の欄に「出納済」の印を押して会計管理者に送付しなければならない。
とあり、支出命令書に出納済印があるので支出命令書が領収書の代わりとなると主張していますが、会計規則にはこれが領収書の代わりになるとは述べられていないため、通用しないとことは明らかです。
・平成27年「地熱の恵み」活用プロジェクトに係り、たまて箱温泉基本構想についての文書
地熱の有効活用及び多段階利用の検討業務の委託料の支払いを受けて、西日本技術開発から提出された領収書
*公文書一部開示決定通知書(指産観第181号1 平成30年11月13日)、公文書開示実施通知書(指産観第181号2 平成30年11月21日)
*A4で1枚。
*支出命令書が1枚。伝票番号00491201、金額18360000(1836万円)、決裁と審査の欄に印が黒塗りされたように見えるものがある。起案者は「観光課」とのみ。
・平成27年「地熱の恵み」活用プロジェクトに係り、農産物市場調査についての文書
農産物市場調査の委託料の支払いを受けて、鹿児島経済研究所から提出された領収書
*公文書一部開示決定通知書(指農農第417号1 平成30年11月14日)、公文書開示実施通知書(指農農第417号2 平成30年11月20日)
*A4で1枚。
*支出命令書が1枚。伝票番号00490951、金額15260400(1526万400円)、決裁と審査の欄に印が黒塗りされたように見えるものがある。起案者は「農政課」とのみ。
指宿市会計規則
第51条 令第165条の2の規定により市長の定める金融機関は,指定金融機関と為替取引のある金融機関とする。
2 会計管理者は,前項に規定する金融機関に預金口座を設けている債権者から申出があったときは,指定金融機関をして口座振替の方法により支払をするものとする。
3 前項に規定する債権者からの申出方法は,請求書に金融機関名,口座名義人,口座番号及び預金種別を付記させるものとする。ただし,あらかじめ預金口座振込申請の届出があるものについては,この限りでない。
4 会計管理者は,口座振替により支払をするときは,口座振替依頼書(電子計算組織による口座振替に必要な情報を記憶させた磁気テープ,伝送データ等を含む。)又は振込依頼書に支出命令書及び振込依頼内訳票を添えて,指定金融機関に送付し,振替の手続をさせなければならない。
5 会計管理者は,前項の規定により口座振替をした場合,正当債権者の領収書を徴せず,指定金融機関の領収書をもってこれに代えるものとする。
指宿市指定金融機関等事務取扱規程
第16条 公金取扱総括店は,会計管理者から口座振替の方法による支払の通知を受けたときは,直ちに確実な方法により口座振替の手続をし,支出命令の所定の欄に「出納済」の印を押して会計管理者に送付しなければならない。
(参照:別紙「会計書類の瑕疵」、指産観第181号2 平成30年11月21日、指農農第417号2 平成30年11月20日、指宿市会計規則、指宿市指定金融機関等事務取扱規程)
5.経産省からの補助金についての実績報告書に関し、指宿市は、「契約書、会計書類」の添付はないと答えています。これは、平成31年4月19日付けで開示請求したものへの「公文書不開示等決定通知書」(指産観第29号1 平成31年4月26日)の「決定の理由」の欄で指宿市が述べていることです。しかし、公的な補助を受けた場合、その補助金をどう使ったかを証明するために委託先との契約書や会計書類が報告書に添付されることはごく常識的なことであり、その添付がないものを経産省が受理したとすれば、経産省の補助金担当者がそもそも補助金詐取に関わっていたと考えざるを得ません。
(参照:指産観第29号1 平成31年4月26日)
6.JOGMECからの補助金についても、情報公開請求で次のように請求をしましたが領収書は交付されませんでした。JOGMECからの補助金を受けて電磁探査やモニタリング調査をしたので、その委託先からの領収書がJOGMECへの報告書に含まれているのは当然ですが、含まれていませんでした。
・「地熱の恵み」活用プロジェクトに関して、補助金を受けた先へのプロジェクトの進みに従って報告した文書。
1.各成果物があがってきた時に、その成果物について指宿市がJOGMECや経産省へ報告した文書。
2.その他、計画に変更がされた時に、報告した文書。
尚、成果物そのものはすでに交付を受けていますので、除外してください。
(参照:別紙「会計書類の瑕疵」、指総市第329号1平成30年3月5日、指産観第522号平成30年3月8日)
7.更に、以上の開示請求の結果、支出命令書などが交付されましたが、どれも起案者の欄が観光課とか市長公室などとなっていて個人名の記載がなく、また金額が300万円以上は会計責任者との合議が必要であることが、指宿市会計規則で必要とされていますが、その合議がされていませんでした。更に、決裁欄についても疑問が残るものがありました。
(参照:別紙「会計書類の瑕疵」)
8.複数の企業から入札があったとされる事例でも、落札したとされる企業以外からの入札書類の開示もありませんでした。また、入札執行調書、見積り比較調書などで、落札した企業以外の入札参加社の部分が黒塗りでした。通常、全ての企業名とその入札金額が、地方自治体のサイトで公開されます。平成27年春に行われた「地熱の恵み」活用プロジェクトでは4社が入札したとされ、募集要項に、募集書類は情報公開請求の対象となると書かれているにもかかわらず、落札した企業からの応募書類しか明らかにならず、他の3社については、社名や入札金額さえも明らかになっていません。なお、平成28年に行われた地熱井戸1本分の入札には3社の応札があったとして、全ての会社名が明かされていますが、こちらは、プロジェクトがその後凍結になり、正式な契約に至っていないものでした。
(参照:指総市第332号1平成30年3月5日(温泉モニタリング)、指産観第532号1平成30年3月19日(アイスランド先進地視察)、指農農第698号平成30年3月13日(農産物市場調査)、指総市第145号2平成30年7月27日(契約解除になった地熱井戸1本分の入札で、こちらは、入札参加企業3社の名前が明示されている。)
9.成果物が上がってきた時に指宿市役所内で、その成果物の内容を検討したはずの会議資料なども開示請求の結果「不存在」ということでした。一千万円以上の公費をかけて委託先から上がってきた成果物について、なんら市役所内で検討がされていないのは、成果物そのものがでっち上げであり、委託そのものがされていないことを示しています。なお、経産省からの補助金は理解促進のための補助金であるため、経産省自体が住民への成果物の公開を求めるべきですが、成果物の公開がされていません。このことも、委託がされていないことを明確に示しています。また、公金横領が経産省の主導によるものという可能性が高いことを示すものです。
(参照:指総市第330号1 平成30年3月5日、指総市第140号1 平成30年7月10日)
10.JOGMECからの補助金を受けて行われた事業は地熱資源量調査(電磁探査及び温泉モニタリング)です。それぞれ報告書が上がってきているのですが、電磁探査報告書については平成29年12月に全部不開示の決定が指宿市長名でされましたので、全部開示を求めて情報公開審査会への審査請求をしました。その結果、平成30年7月19日付で審査会の答申が出て、12月の一部開示の決定を取消し、新たに一部開示をせよということになりましたが、この答申書自体がとても不合理なものでした。
つまり、一部開示をしなさいという答申なのですが、では、電磁探査報告書のどこを開示するのかについては、一切判断をしていないのです。判断と言える部分は、「電磁探査報告書を確認したところ,当該報告書は専門知識がないと理解し難い地下構造の何らかのデータと思われる数値及び図面が数百ページにわたった膨大な資料であり,このデータの収集には相当の時間及び費用が投資されたものであることは容易に推測できることから九州電力が他企業等に情報を公開されることのないよう,実施機関に資源探査報告書の不開示を依頼したことは合理性があり,実施機関が主張する指宿市情報公開条例第7条第2号アの『公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの』に該当する。」です。しかし、指宿市は3000万円近くのJOGMECからの補助金で電磁探査を委託したのですから、その分の費用が掛かっているのは当然であり、この指宿市からの委託料についての評価がされていません。あたかも、指宿市は委託料を払っていないという仮定がされているような判断なのです。その他にも、内容や形式におかしな点が幾つもあります。
更に、指宿市と言う地熱開発に関して素人からの電磁探査の依頼ですから、その報告書には、地熱開発の可能性がどの程度あるのか、既存の温泉井戸に影響が出る可能性があるのかなどが、分かりやすい言葉で書かれていなければなりません。しかし、答申書は、「当該報告書は専門知識がないと理解し難い地下構造の何らかのデータと思われる数値及び図面が数百ページにわたった膨大な資料」とのみ述べていて、調査報告書の最も肝心な部分がどのような内容だったかについて、全く言及がないのです。更に、そもそも、指宿市は、本来、電磁探査の目的である地熱資源量の推定量や既存井戸への影響の程度などについて、全く公開していないのです。
なお、指宿市側から弁明書と共に提出された西日本技術開発や九州電力からの書類については、ねつ造されたものである可能性が非常に高いと思われます。このことについては、反論書に詳しく述べてあります。
また、指宿市が提出した平成30年2月28日付の弁明書に、次の記載があります。
(*引用開始:)
2 弁明の趣旨
電磁探査報告書については,平成28年2月2日付けで九州電力株式会社から本
市に宛てた文書に基づき「非公開」とし,同報告書と併せて開示請求のあった契
約に関する書類と併せて平成29年12月4日に一部開示の決定をし,平成29年12月
7日付けで開示実施を通知したところである。
この決定に対し,武田信弘から電磁探査報告書の非開示に対して指宿市情報公
開条例第14条第3項に基づき,異議がとなえられたことから,九州電力株式会社
と再度協議し,別添メールに基づき開示できる箇所を特定し,平成29年12月28日
に開示の再実施に向けて武田信弘と調整したが,その実施が受け入れられておら
ず,現時点においても進展がない現状となっている。
(*引用終わり。)
上の文章からは、九州電力から電磁探査報告書の非開示の意向が平成28年2月2日に示されたが、別添メールの日付は 2017/12/22 となっていて、どこか開示が出来ないかと交渉を始めたのは平成29年12月13日の告発人の審査請求以降となってしまいます。この間、平成28年6月にプロジェクト推進の陳情が出され、議会で採択されていますし、平成28年10月には**市長により地熱開発の凍結が宣言されました。平成29年2月には凍結などの事情について、説明を求める請願書が提出され、議会では全員一致で採択されています。仮に、電磁探査が事実として行われているのであれば、これらの陳情や請願に応えて、電磁探査の結果、どの程度の地熱資源量があると見こめるかとか、既存の温泉に影響が出るかどうかヘルシーランド周辺にはこのような規模の不透水層が見つかったというような具体的な不透水層についての、深さ、厚さ、広がりなどを伴った説明がされていなければおかしいのです。この意味でも、電磁探査が行われていないと考えるしかありません。
(参照:弁明書、反論書、答申書、裁決書、指議第491号 平成30年3月8日、指議第227号2 平成30年7月13日)
11.この答申書には答申を出した審査会委員氏名の記載がなく、情報公開・個人情報保護審査会運営規則(平成17年情報公開・個人情報保護審査会規則第1号)の第24条では委員名の記載を必要と定めているので、明確に規則に違反しています。なお、幾つかの地方自治体のサイトに公開されている答申書を確認しましたが、全て答申を出した審査会の委員名の記載がありました。
なお、委員名記載がないことについて、今年5月に改めて情報公開審査会への委員名記載を求める申立てを指宿市総務課へ送付したところ、総務課長名で回答がありました。しかし、最初の回答は、文書記号・文書番号がなく公印が押されていないものであったため、そのことを指摘し、再度の回答を求めたところ、「令和元年5月27日付け『5月23日付け回答』への意見について(回答)」と言うタイトルの付いた文書記号・文書番号が付き、総務課長の公印が押された文書が郵送されてきました。しかし、この文書の内容は次の2点で明らかに答申自体がでっち上げであることを示しています。
①「このことについて,貴台が答申書の記載の訂正を求める根拠とする情報公開。個人情報
保護審査会運営規則(平成17年情報公開・個人情報保護審査会規貝1第1号)は総務省情
報公開・個人情報保護審査会に係るものであり,指宿市情報公開審査会による答申は,あ
くまでも指宿市情報公開条例ズ平成18年指宿市条例第12号。以下「条例」というc)第
3章各条によりなされるものと考えます。
なお,具体的には条例において答申書に指宿市情報公開審査会の会議に出席した委員の
氏名を記載する旨の規定は存在しないため,貴台が記載の訂正を求める答申書にも,当該
会議に出席した委員の氏名を記載しなかったものであります。」
と述べていますが、国の決まりに対して、例外を地方自治体が設ける場合は、何を例外とするかを明示的に示します。しかし、指宿市の条例には、「答申を出した委員名の記載を、答申書では省略することが出来る」と言ったような文言はありません。日本全体の法体系として、地方自治体の条例などに決まりがない場合、国の決まりに従うことになっているため、指宿市も答申書にそれを出した審査会委員名の記載が必要なのです。この意味で、上の指宿市の主張は明確に不当なものです。
②「また,『平成29年12月13日付で提起した公文書一部開示決定通知書による処分に係る
審査請求事件における申立(答申書に審査会委員名の記載を求める申立て)について(回
答)』(令和元年5月23日付け指宿市総務部総務課長回答)(以下「5月23日付け回答」
という。)でも,既に回答させていただきましたとおり,審査会の答申に対する不服申立
てをすることはできないことを踏まえ,審査請求に係る事務を所管する指宿市総務部総務
課が文書を受付け,回答させていただきますことを御了承ください。」
と指宿市は主張していますが、告発人の申立ては答申の内容についての不服申し立てではなく、答申書の必要的記載事項が記載されていないという形式についての、その更正を求めるものです。そして、答申書に明らかな記載ミスがあるとき、その更正をするのは答申を出した審査会であることは当然であり、実際、「情報公開・個人情報保護審査会運営規則」や「行政不服審査会運営規則」で、それぞれ次のように審査会会長などが更正を行うことを定めています。
情報公開・個人情報保護審査会運営規則
(答申書の更正)
第27条 部会又は総会は、答申書に誤記その他表現上の明白な誤りがある場合には、
部会長又は会長にその職権により当該答申書の更正を行わせる。
行政不服審査会運営規則
( 答申書の更正)
第2 6 条 総会又は部会は,答申書に誤記その他表現上の明白な誤りがある
場合には,総会がした答申にあっては会長,部会がした答申にあっては当
該部会の部会長にその職権により当該答申書の更正を行わせる。
よって、このことについても指宿市の主張は法の決まりに背き、明瞭に答申自体が正当なものではないことを自白してしまっているのです。
(参照:答申書、令和元年5月27日付け「5月23日付け回答」への意見について(回答)、情報公開・個人情報保護審査会運営規則の該当部分)
12.答申書が出された当初、裁決書を作成せず、単に公文書開示等審査請求裁決通知書で済まそうとしました。裁決書の作成は行政不服審査法で決められていて、必要であることを、告発人が申立書で通知すると、指宿市は、「指宿市情報公開条例施行規則(平成18年指宿市規則第14号)第10条に規定する通知を行つています。」と文書で回答をしました。指宿市が改めようとしないため、告発人が総務省へ電話で問い合わせ、裁決書が必要なことを確認して指宿市へ伝え、その後、やっと裁決書が作成され送付されました。このことも、答申自体がでっち上げであることを明瞭に示しています。
(参照:公文書開示等審査請求裁決通知書、裁決書、行政不服審査法の該当部分、告発人からの申立書及び指宿市からの回答書)
13.別紙「「2000kwと5000万円の根拠が示されないこと」で述べるように、公文書開示請求の結果、平成27年3月のプロジェクト立ち上げ時の資料にある見込発電出力2000kwや見込蒸気代金年額5000万円について、庁議資料も、市長や副市長による決裁書類も、その他の何らかの打ち合わせ資料も「不存在」とされていて、まったくまともに事業を行うという姿勢が最初からなかったことが明らかです。
(参照:別紙「2000kwと5000万円の根拠が示されないこと」)
14.別紙「蒸気条件の算定根拠が不存在であることについて」で述べるように、公文書開示請求の結果、「地熱の有効活用及び多段階利用の検討業務」の委託に際しての最も基本的な数値である蒸気条件が根拠なく決められていたことが明らかになりました。「圧力0.5MPa時蒸気量 40t/h(背圧方式)及び蒸気量 20t/h(復水方式)」(*「MPa時」の「時」は業務仕様書に記載があるまま。)この蒸気量に従って「地熱の有効活用及び多段階利用の検討業務」は行われていて、極めて重要な数値の根拠がないまま、消費税を入れて1836万円の委託が行われたことになっています。
(参照:別紙「蒸気条件の算定根拠が不存在であることについて」)
答申書の委員名記載については、審査会委員の刑事責任を問う事態に発展する可能性があり、総務省への問い合わせはしていませんが、情報公開・個人情報保護審査会運営規則に違反しているということ自体は指宿市へ伝えてあります。別紙「電磁探査が行われていない証拠」に述べるように、情報公開審査会への請求事件に関してはそのほかにも数多くの矛盾点や法に違反した行為があり、電磁探査もモニタリング調査も行われているとはとても考えられません。
よって、これらの一連のおかしな成果物は、委託料が実際には支払われていずに、市役所職員の一部がでっち上げたものであり、委託料が途中で当事者により詐取されたと考えるしかありません。なお、別紙「経産省及びJOGMECへの文書の文書記号・文書番号の記載の有無」で述べるように、経産省やJOGMECへの補助金申請の時期が平成27年の夏以前であった可能性や経産省やJOGMECからの補助金額が既に明らかになっている約8000万円よりも大きい可能性があります。
例えば、平成28年第2回臨時会・第2回定例会会議録のページ番号13には、「ご案内のように地熱の恵み活用プロジェクトでは7億数千万円,まさしく100%補助,この事業に対しては**副市長が積極的に省庁に働き掛け,指宿市がこの事業を持ってきたという,そういうのもあります。」との記載があります。この発言は平成28年4月議会での**市長によるものです。これが、平成28年第1回定例会(3月議会)で減額された予算「地熱の恵み活用プロジェクト事業の地熱資源を確認するための調査井掘削に係る費用7億7,328万円」を指している可能性がありますが、この予算は既に減額され、執行が不可能になったものであるため、それをアッピールしても意味がないとは言えます。別紙「経産省及びJOGMECへの文書の文書記号・文書番号の記載の有無」や、別紙「地熱開発へのJOGMECの関わり」を参照してください。
Kommentare