2021年3月16日04:56ぐらいに茨城県南部を震源地とするM4.8、震源深さ53キロの地震が発生しました。この程度の地震そのものは年に数回程度の頻度で発生しています。しかし、HI-net自動処理震源マップの「日本全国広域」の「最新7日間」とか「最新30日間」を見ると、震源深さ200キロよりも深い地震を表すドットが日本海の方が太平洋よりも多く、これは多分、311以降今までなかった状況です。
伊豆・小笠原海溝での太平洋プレートの沈み込み自体が止まっていることはあり得ず、多分地震を起こさない滑りが起こっているのだと思います。問題は、東日本の陸域の地下での太平洋プレートの沈み込みが311以降で初めて本格的に起こり出していると思えることです。311前の600年間程度から2011年までは日本海溝の手前で地震が起こり、結果的に東日本の陸域の地下では太平洋プレートの沈み込みがほぼなかったという専門家による指摘がされています。その結果、東日本の陸域の地下では太平洋プレートの量がどんどんと減っていたはずなのです。なぜなら、日本海では太平洋プレートが地下300キロとかに沈み込んでいて、それに引っ張られて、東日本の地下の太平洋プレートは日本海方向へ沈み込みを311前の600年間も沈み込みを続けていたはずだからです。入りは日本海溝のハワイ側で止まり、出は続いていたため、東日本の地下での太平洋プレートの量が減少を続けていたということです。そして、311以降関東地方の陸域であまり大きな地震が起こってこなかったのは、一つには、関東平野の地下で太平洋プレートの沈み込みがあまり起こっていなかったからです。
しかし、昨年の11月ごろから相模トラフ(伊豆半島の東側の根元から南東方向に100キロとか200キロ程度伸びる海溝で、本来は陸のプレートの下へフィリピン海プレートの沈み込みがされている海溝)付近からの太平洋プレートの沈み込みが増えてきていて、この頃から日本全体の地震の起こり方が本格的に変化してきている様子です。
結果的に、日本海溝全体の西側、つまり東日本の陸域全体の地下で太平洋プレートの沈み込みがこの600年程度ぶりに活発化しているのだと思います。それが震源深さ80キロから100キロ程度のやや深い地震や、震源深さ20キロから40キロ程度のかなり浅い地震まで、さまざまな震源深さの地震が起こりやすい環境を作っているのです。
更に、北海道の千島海溝沿いや伊豆・小笠原海溝での津波を伴った大きな地震も起こりやすくなっていると思われます。
新型コロナという困難がありますが、より一層苛酷な自然の試練を今の日本、そして世界も迎えつつあると思います。エネルギーと食料の自給率向上が望まれます。
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