この数日、関東地方での震度1以上を計測する地震が多発しています。特に目立つのが千葉県南部。この地震が起こり出したのが、福島県沖M6
2021年05月14日08時58分頃 福島県沖 M6.0 4 *M5以上
の直後からで、この関係から関東でのかなり大きな地震を予測して見ました。
考え方としては次の3つがあると思います。
1.関東よりも北部での地震による誘発。つまり、日本海溝中部から北部での沈み込みが大きくなって、それによって関東付近の地震が誘発されるもの。
2.関東よりも南部での地震による誘発。つまり、日本海溝南部から伊豆・小笠原海溝での沈み込みが大きくなって、それによって関東付近の地震が誘発されるもの。
3.より西部での地震が起こり、それによって、より東部である関東付近の固着が緩み、結果的に関東での地震が起こるもの。
311大地震は上の3つの条件がほぼそろった状態で起こっています。
311大地震との違いは、関東の場合、まず、大きな固着域が、犬吠埼、いわき沖、そして、鹿島第一海山とあること。特に、犬吠埼と鹿島第一海山はほぼ同じ緯度にあり、この二つが単独で太平洋プレートの西向き圧力を受け止めることがないため、つまり、同時に圧力を受けるため、なかなか破壊につながらず、前兆現象が起こっても、地震にならないことが多い様子。
今年の2月13日の福島県沖M7に至る過程を見ると次のようになっていると思えます。
1.日本海溝のより北からの破壊:
2020年12月21日02時23分頃 青森県東方沖 M6.5 5弱 *M5以上
2.日本海溝のより南からの破壊:
2020年04月18日 17時26分頃 小笠原諸島西方沖 M6.9 4
2020年04月18日 18時25分頃 小笠原諸島西方沖 M6.0 2
2020年06月25日04時47分頃 千葉県東方沖 M6.1 5弱
2020年10月03日18時31分頃 八丈島東方沖 M6.0 3
2020年11月07日10時11分頃 小笠原諸島東方沖 M6.2 1
3.より西側での地震の発生:
2020年の長野県北部などの地震
多分、より西側での地震は同じ海溝に属する地震よりも小さくても引き金になると思います。なぜなら、単に固着を緩める役割があるだけだから。
今後起こる関東での地震については、この2月13日の福島県沖M7が引き金になっていると考えるしかない。そのため、引き金よりも本番の地震が大きくなるという原則に従い、基本的にはM8規模の地震が起こって一連の地震が終了することになります。
問題は、次の大地震が関東での地震だと考えて、より南側での地震であまり大きなものがまだ発生していないこと。
2021年03月28日09時27分頃 八丈島東方沖 M5.8 3 *M5以上
2021年04月28日05時18分頃 小笠原諸島西方沖 M4.9 1
以上の様に、M6以上地震の発生はまだありません。
但し、遠く離れたニュージーランド付近では次の地震がこの3月に発生しています。
2021年03月04日22時27分頃 ニュージーランド北東東方 M7.3 ---
2021年03月05日02時41分頃 ケルマディック諸島 M7.4 ---
2021年03月05日04時28分頃 ケルマディック諸島 M8.0 ---
これ等の地震を受けて、伊豆・小笠原諸島でM6以上地震が起こると、いよいよ関東付近でのM7以上が近いことになります。
近日中に、東京湾北部付近でのM6以上が起こることは間違えがありません。既にその兆候が微小地震として発生しています。それは、「最新7日間」の「千葉県」などで見えています。それは東京湾の最も北側の北西ー南東方向の沿岸部の中央付近からほぼ東西方向に延びる震源深さが80キロ程度の微小地震の並び(5月17日14:45のマップで6個の並び)です。311以降、多分、この方向に微小地震が並んだことはありません。普通は、微小地震の並びがあっても、南西ー北東方向。この東西方向の並びは東西圧縮の結果である可能性が高いです。と言っても東西圧縮のどのような仕組みがあってこのような東西方向の並びになったのかははっきりしません。最も簡単なのは、このような並びの海山がこの付近に沈み込んでいるということ。なお、「最新24時間」の「東日本」ではこの並びの内3個が表示されるため、実質的にこの24時間でこの6個の並びが出来ているはずです。
日本海溝に面した陸域にある岬は、ほぼ例外なく地下に海山が沈み込んでいます。つまり、太平洋プレートの上に載っている海山が日本列島のある陸のプレートの下に沈み込みつつあり、その時に海山が陸のプレートを押し上げていて、それが結果的に岬になっているのです。牡鹿半島沖でM9が起こったことから、いずれ犬吠埼付近でのM8が起こることは確実です。
ただ、犬吠埼とほぼ同じ緯度、但し、少し南にずれた位置に鹿島第一海山があります。この鹿島第一海山は非常に大きな固着域で、この固着域と犬吠埼に沈み込んでいる固着域が同時にこの付近の緯度の太平洋プレートの沈み込み圧力を受けて止めています。その為、なかなかこの二つの固着域の破壊が起こらないのです。また、どちらの固着域で大きな地震が先に起こるのかもはっきりしません。
つまり、関東付近でのM8地震の時期は依然としてかなり先である可能性もあるのです。しかし、このことは東京湾北部がまだ起こらないということではありません。東京湾北部M6以上は確実に切迫しています。数日で起こる可能性が高いです。多分、M8以上は犬吠埼か鹿島第一海山付近での地震となります。この地震は確実により南でのM7以上が起こってから起こると思います。
また、本日5月17日になってから震度1以上地震は15:15現在で次の2件しか発生していません。
2021年05月17日00時42分頃 千葉県東方沖 M3.5 1
2021年05月17日12時00分頃 千葉県南部 M3.5 1
このように震度1以上地震の発生数が24時間で3件未満になると大きな地震が数日中に発生しやすい傾向があります。
また、今後、311大地震の震源の北側でM6以上地震の発生がある可能性も高いと思います。青森県東方沖M7以上が起こり、それに続いて茨城県沖から千葉県東方沖、または、関東東方沖でのM7以上が起こる可能性もあるのです。この場合は、比較的沖合での地震なので陸域での揺れはあまり強くはないと思います。
以上のことをまとめると、次のようになります。
1.今後数日中に東京湾北部付近でのM6以上地震が発生する可能性が非常に高い。但し、震源深さは60キロ程度はあるため、地上での被害は思ったほど大きくはない可能性もあります。その代り、震度6弱以上の地域は広いはずです。
2.今後、伊豆・小笠原諸島付近でのM6程度地震が発生し、それがまだ東京湾北部の発生前であれば、より東京湾北部地震の切迫性が増加します。また、大きさも大きくなります。仮に、東京湾北部が先に発生していれば、伊豆・小笠原諸島付近での地震は比較的先になる可能性があります。つまり、数か月から数年以上先になる可能性もあると思います。しかし、伊豆・小笠原諸島付近でのM6以上が起こると、関東近海でのM8地震は相当に切迫していることになります。半年程度で起こる可能性が高いはずです。
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