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首都直下が迫っている可能性

首都直下が迫っている可能性


以下のデータは全て気象庁のサイトにある震度データベースでのもの。


大地震の前には地震の静穏期が来る。例えば、2011年の311と、2016年の熊本地震の前には、次に見るような地震数の減少があった。


日本全国M6以上

2004年:020件

2005年:022件

2006年:015件、(3年間合計:57件)

2007年:021件、(3年間合計:58件)

2008年:019件、(3年間合計:55件)

2009年:017件、(3年間合計:57件)

2010年:015件、(3年間合計:51件)

2011年:111件

2012年:022件

2013年:020件

2014年:015件、(3年間合計:57件)

2015年:014件、(3年間合計:49件)

2016年:025件

2017年:009件

2018年:015件

2019年:015件、(3年間合計:39件)

2020年:012件、(3年間合計:42件)

2021年:018件、(3年間合計:45件)

2022年:006件、(*4月4日まで)

  合計:411件


上にあるように、日本全国M6以上で見ると、M9があった2010年の3年間合計は51件で、2006年から2009年までのそれぞれの3年間合計の平均値56.75から見て10%程度減少している。熊本地震M7があった2016年の前年である2015年も、3年間合計は49件であり、2014年の57件から見て14%の減少だ。


今年、2022年を見ると、4月4日までで6件なので、4倍して年間換算すると24件になる。これは明確に増加であり、311や熊本地震前の状況とは異なる。だから、その意味ではM7以上地震の切迫は見えない。


しかし、こういった統計は実態をきちんと見ないと数字のマジックで解釈を間違う。地震の起こり方が東北や九州と、関東では異なるからだ。


実際、1923年の関東大震災の前年はM6以上地震の数は増加している。


日本全国M6以上

1919年:09件

1920年:15件

1921年:10件

1922年:23件

1923年:57件

1924年:27件

 合計:141件


上にあるように、1919年から1921年までの3年間の平均は約11件だが、1922年はその2倍以上になっている。


なお、月別の件数を見ても同じことが言える。


1922年:日本全国M6以上

01月:01件

02月:00件

03月:01件(3か月合計:02件)

04月:01件(3か月合計:02件)

05月:02件(3か月合計:04件)

06月:02件(3か月合計:05件)

07月:02件(3か月合計:06件)

08月:00件(3か月合計:04件)

09月:04件(3か月合計:06件)

10月:04件(3か月合計:08件)

11月:01件(3か月合計:09件)

12月:05件(3か月合計:10件)

1923年:日本全国M6以上

01月:01件(3か月合計:07件)

02月:01件(3か月合計:07件)

03月:02件(3か月合計:04件)

04月:01件(3か月合計:04件)

05月:03件(3か月合計:06件)

06月:05件(3か月合計:09件)

07月:04件(3か月合計:12件)

08月:03件(3か月合計:12件)

09月:22件

10月:03件

11月:09件

12月:03件

2年間合計:80件


上にあるように関東大震災が起こった1923年9月の直前の2か月間はそれぞれの3か月合計が明らかに大きい。特に前年の前半から見ると、2倍から3倍にもなっている。


よって、全国のM6以上地震の起こり方から言うと、現在の状況は1923年の関東大震災の前にかなり近くなっていることになる。


関東地方が東北や九州とどう違うかというと、東北や九州はプレートが2枚、陸のプレートと海のプレートの組み合わせだが、関東は陸のプレートが1枚に対して、海のプレートが2枚あることだ。陸のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込み、更にその下へ太平洋プレートが沈み込んでいる。関東平野の下だけを見ると、フィリピン海プレートがある分、一種のショックアブソーバーの様になっていて、大きな地震が起こり難い。これは、フィリピン海プレートが海嶺の無いプレートであり、自分自身の推進力が他の海嶺のあるプレートよりも小さいからだ。


特に、東京湾北部に当たる震源地である千葉県北西部での地震を見ると、震源深さが70キロ程度であることが多く、これはフィリピン海プレートに当たる。フィリピン海プレート自体は自ら動く力があまり大きくないため、隣接している海のプレートである太平洋プレートに押してもらったり、または、西日本の固着域が緩んでフィリピン海プレートが動きやすくなる必要がある。これが日本全国で大きな地震が起こってから関東での大きな地震が起こる理由だ。


関東付近の海溝はTの字を右に倒した形と似ている。日本海溝から伊豆小笠原海溝に変わるところから西へ相模トラフが延びているからだ。そして、相模トラフは西日本の南側にある南海トラフへ連なっていく。この横になったTの交点の上隅に位置するのが関東平野。


関東平野の下にある太平洋プレートが大きく動くためには、関東平野の隣接地域、特に東北や伊豆小笠原で沈み込みが起こる必要がある。


関東平野で大きな地震が起こるには、もう一つ条件があり、それは南海トラフが動くことだ。南海トラフが西へずれることで、関東平野の東にある大きな固着域が緩んで滑りやすくなる。これが多分関東平野の東方沖でのM8地震の前兆になるはずだ。


首都直下については、関東平野の緯度の南北の両隣で日本海溝や伊豆小笠原海溝からの沈み込み圧力が大きくなる必要があるが、既に福島県沖や宮城県沖でM7規模の地震が昨年から起こり出しているし、伊豆小笠原について言えば、福徳岡ノ場での大噴火はまさしく太平洋プレートの沈み込みが活発化している事を示している。更に、311大地震の直接の引き金になったと言われている父島近海での地震が今年は増加している。


父島近海:震度1以上

2004年:04件

2005年:04件

2006年:07件

2007年:11件

2008年:10件

2009年:11件

2010年:19件

2011年:06件

2012年:08件

2013年:07件

2014年:13件

2015年:20件

2016年:11件

2017年:09件

2018年:13件

2019年:09件

2020年:11件

2021年:11件

2022年:20件(*4月4日まで)

合計:204件


上にある通り、311が起こった2011年の前年にそれまでの2倍程度に増加しているし、熊本地震の前年も増加がある。そして、今年は既に20件であり、4倍して年間換算すると80件にもなり、突出して多くなってしまう。なお、2010年の19件の多くは12月にM7地震が起こってからのものだ。そして、今年の父島近海地震も1月4日にM6.1が発生してから多発している。311の時はM7が起こって約3か月でM9だった。今年はM6が起こっているため、M7よりも規模が小さく、関東付近の太平洋プレートに対する影響も小さいため、多分、関東での大地震発生までは半年以上かかるのだと思う。


1923年の関東大震災の前の地震を見ると、台湾付近での地震が多発していることが分かる。震度1以上を観測したM6以上で見ると、次のような地震があった。

1922年09月02日:台湾付近、M7.4

1922年09月15日:台湾付近、M7.0

1922年09月17日:与那国島近海、M6.1

1922年10月14日:与那国島近海、M6.5

1922年10月14日:台湾付近、M6.1

1922年10月27日:台湾付近、M6.6

1923年07月02日:与那国島近海、M6.7

1923年08月27日:台湾付近、M6.0


この台湾付近の多発がなぜ関東での大地震と関連するかといえば、日本付近でのフィリピン海プレートの動きを決めているのが台湾島だからだ。台湾島はフィリピン海プレートの上にあり、これが中国大陸に突き当たって、日本付近でのフィリピン海プレートの西進を止めてしまっている。その結果、台湾島の手前(東側)でフィリピン海プレートの沈み込みが起こりつつあり、それが台湾付近での大地震になる。


フィリピン海プレートの日本付近での動きは、伊豆・小笠原海溝からの太平洋プレートの沈み込みによって起こされているが、その動きを止めているのが、台湾島と伊豆半島だ。台湾島は中国大陸に突き当たることで日本付近のフィリピン海プレートの西進を止めているし、伊豆半島は本州にめり込むことで西進を止めている。台湾島は九州とほぼ同じ大きさがあり、止める効果は遥かに台湾島の方が大きい。そのため、最初に台湾島で大きな地震が起こって、次に伊豆半島付近での地震が起こることになる。1923年の関東大震災のときは約1年前の1922年9月2日に台湾付近M7.4が発生し、それが翌年9月1日の関東大震災の伊豆半島の根元東側の小田原付近での地震につながったと思う。


気象庁の震度データベースで沖縄本島近海から台湾付近までの12地域を指定して年別件数を出すと次のようになる。


沖縄付近:震度1以上

1919年:06件

1920年:01件

1921年:04件

1922年:20件

1923年:08件

1924年:03件

1925年:06件

1926年:12件

  合計:60件


沖縄付近:震度1以上

2015年:079件

2016年:101件

2017年:073件

2018年:128件

2019年:082件

2020年:103件

2021年:084件

2022年:059件(*4月4日まで)


関東大震災が起こった1923年の前年だけが突出して地震数が多いが、2015年以降で見ると、今年は、4月4日までで59件であり、4倍して年換算すると200件を超えることになり、やはり突出して多いことになる。なお、関東大震災当時は地震計の設置密度も感度も現在と比較すると格段に小さく、そのため、捕捉件数が少なくなっている。


以上のことから、関東付近での大地震、特に内陸直下型の大地震が近づいていることは明らか。非常に大まかに見て、関東地方の南北の両隣である東北と伊豆小笠原での地震が増加しているし、沖縄から台湾付近での地震も増加している。よって、今年中に関東付近での大地震が起こり、相当な被害を出すことになると思われる。


なお、一度関東付近での大地震が起こると、関東から関西付近まででどんどんとかなり大きな地震が頻発するようになる。内陸直下の地震が増加する。


間違いなく、大幅な円安になる。


地震の起こり方として可能性が高いのは、まず伊豆鳥島付近でのM7以上地震が起こり、次に東京湾北部が起こるもの。伊豆鳥島での地震は津波を伴い、東京湾や相模湾を始め、九州までの太平洋沿岸部はかなり大きな被害をこうむるはず。東京湾北部が起こってから、関東平野の東方沖、特に千葉県東方沖の震源域でM8程度の地震が起こると思う。東京湾北部と伊豆鳥島での地震は順番が逆になる可能性があるが、このどちらか、または両方が起こってから関東平野の東方沖でのM8が起こるのは確実だと思う。

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